同窓会の後
学校の屋上で僕は、久しぶりに会う彼女と昔の話をしていた
一緒に虫取りに行った夏
川の冷たさと、水面に映る空
あの頃はスマホなんて持ってなかったから写真には残っていないけれど
2人の記憶にしっかりと刻まれていることに少し気恥ずかしくなる
長いように感じた夜も、語るうちに明けていき
日が昇り始めた
彼女は、
さぁ、行こっか
と手を差し伸べてくる
私は笑顔でその手を取り
そして歩き出した
既に居ないはずの死神は
死に至らしめるには十分だった
今日も、ここには誰もいない