人生の貴重さ

作:お餅

後一歩踏み出せば私は容易に消えることが出来る

それをしないのは臆病だからで

死ぬのが怖いから

人生がやり直せると知っていたら

私はこれほど怯えないと思う

それどころか自分が幸せに生きるためなら

何度だって死んでしまうかもしれない

けどそれが出来ないから

私は怯えて 時間を無駄にして

貴重な人生を消費している

誰かが栞を挟んだ本を

栞だけ抜いてゴミに捨てている

そんな人生を生きるなら

あの日居なくなったあの人や

恐怖に抗い飛んだ子に

この人生を譲るのも悪くないと思ってしまうのだ。