後一歩踏み出せば私は容易に消えることが出来る
それをしないのは臆病だからで
死ぬのが怖いから
人生がやり直せると知っていたら
私はこれほど怯えないと思う
それどころか自分が幸せに生きるためなら
何度だって死んでしまうかもしれない
けどそれが出来ないから
私は怯えて 時間を無駄にして
貴重な人生を消費している
誰かが栞を挟んだ本を
栞だけ抜いてゴミに捨てている
そんな人生を生きるなら
あの日居なくなったあの人や
恐怖に抗い飛んだ子に
この人生を譲るのも悪くないと思ってしまうのだ。