雪の降る秋

作:お餅

交わり消える白い息に

2人は顔を見合わせ微笑んだ

キャンバスの上のような

真っ白に塗りつぶされた世界を

2人だけがそこにいるように

あんなこと、こんなことしたいね

なんてくだらない話

交わしながら今日もいつものように

通り過ぎてゆく

そのはずだったのに

突然響く轟音

君の瞳は赤く色づき

白に舞う赤は季節外れの落ち葉のようで

気づいたら

薬の匂い漂う部屋にいた

目の前に君はいて

あの時

楽しそうに話していた君とは違った

私の知らない、無垢でした。

生きているなら儲けもの、

同じ道を歩むなら

挫けて止まることなどは

決して自分が許せなくて

暖かい生命が芽生える日、

黄色く眩しく、強く育つ花を見た日、

君の手のような葉が落ちる日、

あの時のよう、キャンバスを白く塗りつぶした日

帰り道、君はこう言った

「ねぇ、次は何しようか?」

…….おかえり。